貴方様へ



 拝啓

 最近お天気が優れませんがいかがお過ごしですか。

 このお手紙をしたためている今日、こちらは雨が降っていますが、もうすぐ雨は止みます。

 貴方様の地域はもうすぐお祭りが始まりますね。先日、貴方様から頂いたお誘いの日程ですが、その日私は家を空けているので残念ですが見送らせて頂きます。

 お祭りと言えば。

 こちらも今年だけお祭りが催されるそうです。お近くの方はもうお知らせしてあるかと思います。

 この手紙が届く頃には、もう貴方様の所にもお話が来ていると思います。ぜひご参加下さい。待っています。



 先日は、わざわざ私の所まで来て頂きありがとうございました。

 たくさん、たくさんお話できてとても楽しかったです。

 仕事の事、家の事……たくさんのお話を聞いて頂けただけでも私は幸せでした。

 もっとお話したいと願うのは私のわがままですね。

 あの時、聞いて頂いただけでも私の気持ちは軽くなりました。

 本当にありがとうございました。

 この気持ちは一生忘れません。

 そして、貴方様を想う気持ちも。

 忘れません。

 忘れられません。

 私は、貴方様に逢えて幸せです。

 幸せなのです。

 幸せで満たされています。

 ありがとうございました。

 だから

 だから

 私のその幸せを永遠と思わせて下さい。

 一時でも構いません。

 このまま、永遠と。


 ああ、話が逸れてしまいましたね。

 お祭りのお話ですが、是非お立ち寄り下さい。私は、必ず待っています。



 そして、最後になりますが、今まで本当にお世話になりました。

 ありがとうございました。

 私は、私は貴方様を心から愛しております。

 お祭り、楽しみにしています。

 これで、私も
















 俺が彼女の手紙を読んだのはある晴れた日の朝。

 長い長い雨は止んで、今日は珍しい晴れ間だ。

 明日には祭りが開かれる。

 また、雨が降る。







―了―